第24章 Genesis3:9
「俺をバカにするのか?」
「…どうしてそうなるんです?」
「わからないのかと言っただろう」
「わからないのかと問うたんです!どうしてそれが”バカにされた”という思考に繋がるのか、俺には理解できない」
わかってないと指摘されることが、父親にとって屈辱になるということなんだろうか。
そんなこと世の中に溢れかえっているのに、この人はいままでどうやってそれと折り合いをつけてきたんだ。
「親の愛が、子供の育成に欠かせないということは知っている……」
苦々しく答える父親は、俺の顔を見ようともしない。
こんな人だったのか、俺の父親は。
まるで子供じゃないか。
「じゃあ、なぜそれを俺に与えなかったんですか?」
「それは……」
「俺の性癖が普通じゃなかったから、ですよね?」
「そんなことは」
「ないとは言わせません」
きっぱりと言い切ると、怯えたような目で俺を見た。
「翔…俺はそんな風に育てた覚えはないぞ?誰から何を吹き込まれたんだ?」
また他責だ…一体頭のなかどうなってるんだ?
自分で責任を負うつもりが一切ない。
「どうして俺と向き合ってくれないんですか?」
「は?」
「どうしてこの問題に他者が介在していると思えるんですか。あなたのやったことですよ?」