第24章 Genesis3:9
「翔…俺はおまえのことを考えて…」
「もっと幼い頃に考えてほしかったですね」
父親の言葉を遮って、自分の言いたいことを押し通そうと思った。
こんなこと初めてで心臓がバカみたいに早く鼓動している。
「俺の性癖は俺のせいじゃない。俺が望んでこうなったわけではない。そんなこと医療者であるあなたが知らないわけないですよね?」
「翔っ…おまえ!松本くんの前でそんな話っ…」
「潤は知っています。知っていて、なお俺の友人を続けてくれています。あなた方と違って」
「え…?」
喉がカラカラで、声を出すのもやっとだ。
「俺が自分ではどうしようもなかったことを、あなた方は幼少期から責め続けてきたじゃないですか…」
「そんなこと言っておらんだろう!」
「じゃあなぜ、俺は幼少期からあんな扱いをされ続けなきゃいけなかったんですか!?」
「あんな態度?」
「……舞や修とは明らかに扱いが違います。まあ舞や修に関しても、普通の親に比べたら、薄情すぎますよ」
「はっ…薄情などとっ…!」
父親が興奮のあまり立ち上がろうとした時、潤がテーブルを蹴って大きな音が響いた。
「櫻井のおじさん、暴力ですか?」
「そ、そんなわけ…」
「そうですよね?桜井総合病院の院長ともあろう方が。そんなことを俺の眼の前でしたら、記事を書かざるを得ませんね」