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Maria ~Requiem【気象系BL】

第24章 Genesis3:9


そして、その資金について出どころがわからないと、その声の主は語っていた。

「以前、國村さんって人は会社を作って倒産させてるんだ」
「ええ…?」
「大学卒業後、他の企業に勤めながら会社を立ち上げたらしいんだけど、上手くいかなかったらしい」

一度倒産させてるってことか。
そしたら借金だって抱えていたことも考えられる。

「だからその新しい会社を立ち上げた資金が一体どこから出てきたのか、わからないんだよ」
「それって、もしかして…」
「ああ。あの事件に関与してるかもしれない」

それだけ言うと、潤はまた缶コーヒーを手に取った。

「…その会社って今は…?」
「続いてるよ。書類上はね。まだ所在地まで行けてないんだ」
「そうなんだ…」

潰れていないってことは、会社は社員に任せて自分は海外に住んでるのかな…
それとも海外で仕事をしているのか。

「まださ、憶測の域は出てないからさ」
「ああ…」
「慎重に調べを進めるから、翔もリハビリ頑張れよ?」

慎重に…
その言葉に、亡くなった雑誌記者の本田さんを思い出した。
智のお姉さんの同級生で、智の無実を信じてくれていた人は、ひき逃げに遭って亡くなっていた。

犯人はまだ捕まっていない。

「…すまん。潤にばかり調査を押し付けて…」

そう言うと、潤は目を丸くした。

「なーに言ってんだよ!俺はこれで印税生活するんだから、気にすんなって!」
「潤…」
「なんにせよ、國村さんの情報がなんでもいいから欲しいんだ。だから翔、お母さんに聞いておいてくれよな?」
「わかった」

潤は缶コーヒーを目の高さに上げると、飲み干した。
俺も同じようにコーヒーを飲み干すと、少し気持ちが軽くなった。

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