第24章 Genesis3:9
「ああ…あのさ、元・大野製作所の所在のわかってなかった人いるだろ?」
「ええっと…國村さんと沢村さんと野間口さん…だっけ?」
「そう。そのさ、國村さんって人なんだけどさ…ちょっと待って」
潤が後部座席に置いていた紙袋を取った。
そこからA4サイズの紙を一枚取り出した。
「その人の出身大学が、早稲田大学でさ」
「え?早稲田…」
早稲田大学は、母の出身校だった。
「そう、そうなんだよ。翔のお母さんと同窓でさ…」
潤の呉れた紙を見ると、サークルを紹介した古い雑誌のコピーだった。
「え…これ…」
そこには何人か映っているのだが、母が後ろの方に映っていたのだ。
「俺、びっくりしたよ。翔のお母さんだろ?これ」
「そう…なんだけど…」
よく見ると、前列に國村さんと思しき青年が映っていた。
「國村さんは、これ…だよね?」
「ああ。同じサークルに居たみたいだ」
記事を読むと國村さんはとっくに早稲田は卒業していて、そのサークルの主宰として残っているようだった。
その活動内容は、世代を超えて政治や経済について議論するということだった。
「母が、こんなサークルに居たなんて聞いたことないな…」