第24章 Genesis3:9
その後、井ノ原先生は三宅先生の診察を定期的に受けることを復職の条件とした。
「それでGOサインが出たら、復職を許可するよ。なんたって体力仕事だからな、整形外科は。働きながら体力を回復するっていうのは無理だからな」
確かに、診療科の中でも外科は体育会系と言われている。
その中でもうちの病院の整形外科は、国内外から多くの症例が集まるからタフじゃないと務まらなかった。
今のままじゃ、倒れて迷惑をかけてしまう。
気ばかり焦ってすぐにでも復帰したいと思っていた自分に、現実が突きつけられた瞬間だった。
「あ…そういえば、三宅先生はもう戻ったんですか?」
俺が職場に来られなくなった頃、三宅先生は他の病院へ研究していた症例を診るためこちらには来ていなかった。
「ああ。論文、この前完成したとこだよ」
「お疲れ様でした…!」
「まあ、まだ査読に出すための見直しはまだだけど、翔の診察は俺に任せなさい」
「え…なんか怖い…」
「オイ!どういう意味だよっ」
ひとしきり笑ったあと、三宅先生は少し真剣な顔をした。
「あのときは、相談に乗れなかったから…せめてそのくらいさせてよ」
その一言で、本当に三宅先生が俺のことで胸を痛めていたことを、改めて知った。