第24章 Genesis3:9
「櫻井くん!」
背後から声をかけられて振り向くと、瀬戸さんが立っていた。
「あ…瀬戸さん…」
この人にも、すごく心配をかけた。
一度、井ノ原先生と一緒にマンションを訪ねてきてくれたのも覚えてる。
「あの折は本当に…」
「なによもう!元気になったの!?今日来るの、井ノ原は知ってるの!?もう、来るなら来るって言いなさいよね!」
「あ、ええ…三宅先生から、部長と副部長に話はしてもらっています…」
「なによもう!あの人、一言も言わないんだもの!」
あまりの剣幕に戸惑っていたら、そのまま腕を取られてぐいぐいとスタッフルームの中に入っていった。
「行くわよ!」
「ふぁ!?」
「え、ちょ!翔!?」
「じゅ、潤、すまん。ついてきてくれ!」
「あら、ごめんなさいね。私、こちらの病棟看護師長をしている瀬戸といいます」
「あ、僕は櫻井の親戚のものです…」
「今日は付き添い?」
「ええ。まだちょっと油断ならないもので」
「おい、潤」
「なんだよ。本当だろ?」
そんな会話をしながらスタッフルームに入ったもんだから、中にいる人は呆然とこちらを見ている。
知らない顔もいたが、大半が俺の知っている顔ばかりだった。
「みんな、櫻井先生よ!」
瀬戸さんが言うと、俺を知っている連中は歓声ともつかない声を出して俺と瀬戸さんを取り囲んだ。