第24章 Genesis3:9
職員通路に回って中に入る。
IDカードは幸いまだ生きていて、入口でスキャンしたら懐かしい電子音が聞こえた。
入館受付で潤は俺の家族だということを説明して、面会者という識別票を首からぶら下げられた。
ゆっくりと歩きながら、整形外科のスタッフルームに向かう。
最後に見た風景とあまり変わりはなくて、少し拍子抜けした。
スタッフルームに近づくにつれ、知った顔とすれ違った。
一様に皆、驚いてそして回復を喜んでくれた。
午前の忙しい時間帯だったから、あまり長く会話はできなかったが、それぞれが心配してくれていたんだとわかって、本当にありがたい気持ちになった。
情けなくもなったが、それは今は考えないことにした。
またこの病院で勤めて専門医の資格を取って、お返しをしていきたい。
智の側は離れない。
話し合ったわけじゃないけど、将来的には二人でアフリカに行こうと思ってる。
智にもこれ以上、人の死を背負わせたくない。
だから二人で海外に…
でもご家族の死の謎が解けないことには、智も決断できないと思う。
だからそれまで…智が納得のいく答えを見つけるまで、俺はこの病院で恩返しをしていきたいと思った。
だから今日は、復職の話が中心になってくると思う。