第24章 Genesis3:9
職場には職員用の駐車場がないから、近所のコインパーキングに車を停めて病院まで歩いた。
その道すがら、様々な思いが押し寄せてくる。
泣きそうになったり、感謝で心があったかくなったり。
…家族を思い出して、胸のあたりが冷たくなったり…
実はこのあと、父さんの病院へ挨拶にいくことになっていて。
新年の挨拶とは言うけど、事実上は顔見せの強要だった。
本当に俺が回復したのか
使い物になりそうなのか
…体の良い駒になりそうなのか…
それを見極めるために呼ばれたんだと思ってる。
潤はそれにも付き合ってくれるってことで、本当に感謝してもし足りないとはこのことだった。
円を描きながら俺達を見下ろす鳥は、高い場所から狙える獲物を選り分けているようだった。
普通なら野生の小動物が餌なんだろうが、潤が言っているように人間の持っている食べ物でさえも、アイツらには獲物なんだろう。
「そんな見上げてると、糞が口の中に落ちてくるぞ」
その声に潤の顔を見ると、ふんわりと笑っていた。
「遅刻するぞ?」
潤に言われるまで、足を止めていたことに気づかなかった。
「あ、ああ…ごめん。なんか、緊張しちゃって…」
「まあな…気持ちはわかるよ。あれから初めてだろ?」
「うん」
でも、今日行かないと。
前には進めない。