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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師







そんな彼らに気づかない兄弟は、ラッシュバレーの話で盛り上がる。

「師匠!ボク達赤ん坊をとりあげるの手伝ったんですよ!」
「バッカおめー!手伝ったって言えるのかよ、あれで!オレ達うろたえてただけじゃん」
「あはは!"案ずるより産むが易し"ってあの事だよね。家族が協力して、母親も命をかけて、みんなに祝福されて人間は産まれて来るんですね」 
「そうだよ。おまえ達もそうやって生を受けた。自分の命に誇りを持ちなさい」

イズミさんは頬杖をついて穏やかな笑みを浮かべている。
その顔がどこか寂しそうというか悲しそうにも見えるのは気のせいだろうか。
照れくさそうにお互いを見つめるエルリック兄弟だったが、何かを思い出したように「そういえば」とエドワードくんがイズミさんに尋ねる。

「師匠のとこは子供は居ないですけど……」
「エドワード君!!」

声を張り上げエドワードくんの言葉を遮るメイスンさんは、何かをごまかすかのように彼らに修行の成果を見せてくれと言った。
錬金術オタクの彼らは成長した姿を見せたいのだろう、意気揚々と外へと飛び出した。

私はなんとなく察してしまった。
今のメイスンさんの態度で。
きっとイズミさんはお子さんを……。
今日知り合ったばかりの人間が詮索していいことじゃない。
私は、頭に浮かんだことを消すように深く息を吐いた。




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