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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第14章 鋼の錬金術師








「エド。おまえは軍の狗でいて良かったと思った事はあるか?」

エドワードくんは困ったように眉を曲げ、一瞬私に視線を向けた。
軍人がいる手前、本音を言うことが憚れるのか。
私のことなど気にしなくてもいいのに。

エドワードくんは下を向いて、

「……いつ、いつ人間兵器として招集されて人の命を奪う事になるかわからなくて……こわいです」

身体を取り戻すために国家錬金術師になったエドワードくん。
あの日、はじめて彼に会った時のことを思い出した。
いくら自分たちの意思で決めたこととはいえ、私は……私達は酷な道を彼らに提示してしまった。
他になにか別の方法があったかもしれない。

「それでもその特権を利用して成し遂げたい事があると?」
「成し遂げなければならない事があります」

はっとエドワードくんの方を見た。
その目はあの日に見た瞳と同じ―――。

瞬間。
イズミさんはエドワードくんを蹴り飛ばしていた。
驚きが記憶を凌駕しノスタルジーが破壊された。

「アル、その鎧の中……空っぽだな。エドも機械鎧だろう。そして、あんたも……」

やはり彼らの師匠だ。
アルフォンスくんを投げ飛ばしただけで、エドワードくんの足音を聞いただけで気づいてしまうとは。

「何があった。全て話せ」

それは、彼らにとって思い出したくないであろう記憶。
彼らが罪を背負った出来事。

「何から話せばいいのか……」

2人だけの秘密。






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