第14章 鋼の錬金術師
ふと、その様子をみて私は一つの疑問を抱いた。
師匠さんは彼らが禁忌に触れたことを知っているのだろうか。
だとしたら、鎧姿のアルフォンスくんに違和感を抱かないことに納得する。
「急にどうした」
「師匠に教えてもらいたいことがあって……」
「ああ。こっち来な」
考え事をしていて挨拶をするのが遅れてしまった。
あとでちゃんと正式に挨拶をしよう。
師匠さんは店の裏側へと回った。
お店兼ご自宅なのか。
ドミニクさんのところも工房兼自宅だったけど、そことはまた違う雰囲気があってちょっと楽しい。
「師匠の身体の具合は?」
子供のようにきょろきょろとしていると、エドワードくんの声で我に返る。
はしゃぎすぎた。
いくら彼らの知り合いのお店だからと言って気が緩みすぎた。
「そこそこ元気だが、まぁ病弱にはかわり無いな」
病弱……?
見た感じそんな風には見えないけど、当人にしかわからないこともあるよね。
でも、なんだろう。
話が噛み合っていないような気がする……。
「おい、イズミ。エルリックのチビ共が来たぞ」
すると、師匠さんは小窓に肘をかけると中にいる人物に声をかけた。
イズミ……って先ほどメイスンさんも仰っていたけど、今目の前にいる男性がイズミさんなのでは?
もしかして、私はものすごい勘違いをしているのではないだろうか。
「えっと、エドワードくん。お尋ねしたいのですが……」
男性の方のお名前をお聞きしようとした瞬間だった。
扉付近に立っていたエドワードくんが吹き飛んだ。
それも勢いよく。