第13章 あんたたちの代わりに
「なんとなくそんな気がしたから」
「お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫です」
「………本音は違うだろ」
「え?」
「あんた、嘘つくときとか誤魔化すときそうやって距離を取るよな。踏み込んでほしくないんだろうけど、見ててこっちが辛い」
「そんなこと、は……」
そんなことはない、と言い切れなかった。
エドワードくんの言う通りだったから。
何も言えずに俯く私の体を彼はそっと抱きしめた。
温かい体温に包まれ、先ほどまで我慢していた感情が一気に溢れ出した。
あなただけには見せたくなかった私の弱さが、ボロボロと涙になって彼の肩を濡らす。
「怖かった……ほんとうは、すごく……」
「うん」
「し、死んでしまうんじゃないかと……。また、死なせてしまうんじゃないかと……」
「うん」
「よかった、本当に……」
「うん」
エドワードくんはただ優しく頷くだけだった。
それが嬉しくて重圧や緊張から解放されたのもあって、私は隠したかった本音をどんどん言葉にしてしまった。
「よかった……ほんとうに」
「うん……」
「………私も…………人を、命を、救うことができた……!」
人をたくさん殺してきたこの手が、小さな命を救った。
こんな私でも救える命があった。
そのことが何よりも嬉しい。
エドワードくんの服をぎゅっと掴み声を押し殺して泣けば、背中に回る彼の腕の力も強くなった。
私が泣き止み落ち着くまで、彼はずっと抱きしめてくれていた。