第7章 クリスマスお題 ちぐはぐメリークリスマス!
「津美紀達はもうすぐ学年が上がるわね、もう7歳と6歳?早いわね〜」
食材を手際よく切っていく伽那夛が手を止めずに尋ねると、クリスマスツリーを飾りつけていた津美紀は大きく頷いた。
「恵は一昨日6歳になったんだよ!」
「……はい?」
思わず伽那夛の手が止まる。
「22日は恵の誕生日なの」
「なんですって!?そういう大事なことは早く言いなさい!プレゼント用意してないわよ!」
「別にいいし」
「良くないわよ、おめでたい日なんだからお祝いしないと!恵は何が好物なの?」
「だから別に」
つれない答えの恵の隣で津美紀がニコニコしながら答えた。
「恵はしょうが焼きとかしょうがスープが好きだよ」
「なっ、津美紀、勝手に……!」
「成程、生姜ね……今日はケーキだから洋風のものがいいわね」
プレゼントの代わりとはいかないかもしれないが、お祝いにはなるだろう。
気の利いたプレゼントはサンタクロースに任せて料理に集中と決め、伽那夛は調理を続けた。
しばらくするとキッチンからコンソメの香りに混じって生姜の香りも漂ってくる。
「伽那夛ちゃん、何作ってるの〜?」
「ジンジャーチキンソテーよ。豚肉の生姜焼きはメジャーだけど、鶏肉も合うのよね。味はコンソメで調えているから簡単よ」
メインディッシュはこのチキンソテーにして、隣のコンロで煮ているミネストローネと仕込んで冷蔵庫に入っている季節野菜のマリネで料理は完璧だ。