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術師殺しと箱入り娘【呪術廻戦】

第7章 クリスマスお題 ちぐはぐメリークリスマス!









「クリスマスツリー……?」

「そうよ、クリスマスパーティーには必須でしょ……っていうか、なんで図書館に来てまでクリスマスを調べてるのよ?」

「パーティーを企画する以上、正しい由来は知っておかないといけませんから!」

「ネットで調べればいいでしょうに……」

「そうはいきません。ネットには根拠のないデマも書かれているって言うじゃないですか。今の私にはそれらを見抜く知識もないですから間違ったことを津美紀達に教えたら大変です」


意気込んでいる伽那夛の手元にあるのは新約聖書だ。
当初、由来を知るには古い方から調べるべきと分厚い旧約聖書を手にした伽那夛だったが、読み終わるのにどれだけ時間がかかるんだと歌姫が止めに入った。

ちなみに伽那夛の座る席には今読んでいる新約聖書の他に子供向けのクリスマスの物語から古代ゲルマン民族に関する資料まで、とにかくクリスマスに関係ありそうな本が積まれている。


早速歌姫が口にした“クリスマスツリー”についての記述を調べ始めると、すぐに見つけることができた。


「……ふむ、クリスマスツリーは永遠の象徴と……つまり門松みたいなものということね」

「何をどう解釈したらそうなるのよ?」

いきなり日本の正月飾りが出てきて歌姫は困惑顔だ。

対して伽那夛は自信満々に答える。

「松は千歳を契り、竹は万代を契ると言うでしょう?つまり永遠よ!」

「……あなたってそういうことにはやたら詳しいわよね」

さすがは由緒ある御三家の出だ……などと言ってしまうと伽那夛の機嫌がすこぶる傾くことは知っているので、呆れ顔だけにしておく。



更に資料を読み込む伽那夛はある記述に驚きの声を上げた。


「えっ、クリスマスツリーはモミの木を切り倒しているの!?」

「そりゃそうでしょ。家の中に生やす訳にはいかないでしょうし」

「永遠の象徴なのに?ゆっくり死に向かってるじゃない!」

「門松だって似たようなもんじゃない」

「た、確かに……!」

「あと、木だけじゃダメよ。クリスマスツリーにはいろいろと飾り付けがあるから」

「飾りというと葉牡丹とか南天ですか?」

「一旦門松から離れなさい!クリスマスツリーの飾りはオーナメントって言って……」


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