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【呪術廻戦】撫子に口付けを【短編集】

第19章 【宿儺/コミュお題夢】氷霜の契り



至近距離で見つめ合う。

宿儺の瞳の奥には、底知れぬ空虚と、同時に全てを焼き尽くすような生への渇望。

虚無と飢餓。

破壊と探求。

矛盾した感情が、そこには同居していた。



ゆめは四つの瞳を見つめ返す。

赤く、深く、恐ろしいほど美しい目に息を飲んだ。


「反転術式とて万能ではない。オマエの毒は、呪力操作を鈍らせる。わずかな時間だが、呪力に一種の変質が起き、流れが妨害される。あの感覚は形容しがたい」


宿儺の声には、愉悦が滲んでいた。

彼は自分の身体が侵されることに、奇妙な喜びを感じている。

藤原の五虚蔵も、日月星進隊も、安倍の精鋭も、彼の前では塵芥に等しかった。

彼らの術式も呪力も、宿儺には傷一つ付けられない。



しかし、ゆめの毒だけは違う。

ほんの僅かに、けれど確かに、彼を内側から蝕むことができる稀有な術式。


ゆめは、強い視線に気圧されそうになりながらも、決して目を逸らさない。術師の矜持をかけて、真っ向から見返した。



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