第2章 愛の罠
ここはどこだ。内装はよく見覚えがある。これは・・・
「目が覚めました?」
煙草をくわえ、携帯を触っていた男がこちらに振り返る。
あれ。私はバーでお酒を飲んでいたはず。なぜラブホテルなんかに。しかも、あのバーにいたよく知らない有名人?の男。
「あれから大変でしたよ」
困った笑顔で言う男。大方私が飲みすぎて騒いだのだろう。
「貴方が潰れたあと、マスターも僕も困って…マスターは他のお客があるから任せていい?なんて言うから。僕は貴方の家知らないし。」
”それに僕の家には連れ込めないですし”と続けた。
そうだった。この人は既婚者なんだっけか。
「あ、安心してください。貴方の家がわからなくてこんなとこに連れ込んでしまいましたが、やましいことはしてませんし、する気もありませんから。」
慌てたように否定をした。まぁ服も崩れてないし何もされてないのなんか一目瞭然だ。