第1章 プロローグ
彼が何かを頼んだ。私はメニューなんて見ずにチビチビ飲んでいたペースを無意識にあげてしまい、ほんのり酔い始めていた。
緊張はしていたけれど、何も考えずに飲んでいた。
その後すぐにグラスを開けた私はマスターに「同じのまたお願い」と頼む。マスターが「胃に何かいれろっていってるだろう」とか言ってたような気がしたけど頭がぼーっとして来たせいで聞こえてないことにする。
「ハイペースで飲むのは良くないですよ。」
「いいんです」
「僕が頼んだ物で良ければ食べてください」
「大丈夫です」
多分、心配してくれているのだろう。
私はお構いなしに飲む。今日は飲むと決めたのだ。
「帰れなくなるんじゃないか?」
知らない、飲むと決めた日に緊張してしまうような男がいるのが悪い、私はこんな如きで潰れない。