第1章 プロローグ
マスターと話をしながら”頼まれた通りに強いの作ったからちょっと気を付けて飲んでね”と言われ、チビチビ飲んでいた。
すると新しい客。いつもは見ないような顔だった。
「おや、久し振りですね。yasuさん。」
「ちょっと飲みたくなってね」
にこやかに話す彼は好印象だった。
「奥さんと喧嘩でもした?」
「いやぁそんなことはないですよ。だとしても言いませんが。」
笑いながら言うからきっと喧嘩ではないのだろう。
「お隣、良いですか。」
ぽけーっと考えてるとこに急に声かけられてビクッとする。
驚かせてしまってすみません、と彼に謝らせてしまい”いえいえ”と焦ってペコペコしてしまった。
「みずきさんはきっと音楽とか聴かないだろうからわからないだろうけど、この人音楽やってる人なんだよ。
Jeanne Da Arc は活休してるけど、今はAcid Black Cherry というのをやっているんだよ。」とマスターが教えてくれた。
確かに私は普段音楽を聴かない。通勤時にはラジオをイヤホンから流すタイプの女だ。
この人の顔、そういうメディア?に出る関係の仕事しているからか、肌も綺麗。