第6章 自覚
「ごめんなさい?なんか目ぇさえちゃって」
「ちげぇ。起こせっつったの」
「…………あー」
れ?
お会計済ませて袋を持ってくれちゃう蓮について行けば。
足がむいたのは出口じゃなくて。
「ゴムちょうど切らした」
「な…………っ」
「おまえどれがいいとかある?」
「…………し、らないよそんなの」
ああもう。
ぷしゅう。
て。
湯気出るかと思った。
ふ、て。
笑って。
すれ違い様に蓮の手が、髪を撫でる。
たったそれだけのことでこんなにも胸がいっぱいになるの、そーいえば忘れてた。
堂々とお会計をさっきのレジへと済ませ、居心地悪いの感じながら後ろをついて行く。
ああもう。
ここのコンビニ使えないじゃん。
あ。
「ごめん起こしたよね?あたし」
コンビニ出たところで、蓮のおっきな欠伸。
松葉杖付きながら袋持つの大変そうで。
す、て袋を受け取るついでに隣へと陣取る。
「あー、まぁ別に」
「ごめん。今度からちゃんと声かける」
「ん」
自然に。
蓮の手がさっき蓮から奪いとったはずの袋へと伸びて。
あたしの手の中から離れていく。
「…………」
蓮の。
こーゆー自然な優しさが好き。
昔からずっと、そう。
蓮はいつだって優しかったはずなのに。
ああほんともう。
なんで忘れちゃってたかな。
きゅ、て。
蓮のシャツへと手のひらを伸ばした。
いやでも自覚する。
認めたらもう止まらない。
自覚しちゃったら。
それはもう歯止めが効かない。
溢れるまで、満たすだけ。
あたしやっぱり、蓮が好き。
「…………何」
「ごめん、歩きづらいよね」
ぱ、て。
シャツを掴んでいた指先を離せば。
蓮が急に、足を止めた。
のと。
屈んで。
唇へとキスをするのが同時、で。
「別にいい」
すぐに歩き始めた蓮の背中へと無意識のうちに向けた視線。
時間差で。
その場へと腰が砕けた。