第2章 反論さえ呑み込んで
廊下には、たまたま洗面所から出てきた美穂子。
いや。それは別にいい。
彼女の家(部屋?)だし。
しかし。
彼女はいつものように部屋着でもなければ、制服でもない。
「-……お、お前!なんつー格好してんだよ!??」
「え? 似合わない?」
美穂子はきょとんとして、自分を見下ろした。
一気に一護の顔が真っ赤になる。
「いや、似合うけど!つーか、エロすぎだろ!それ!?」
「えー?」
グリーンのロングドレス。
大きく開けられたスリットは太ももの半分以上を露出させ、大きく開いた胸元はその谷間を強調させる。
「つーか、なんでんな格好してんだよ!?」
「今夜、パーティーがあるのよ。家族全員参加だって言われててね」
面倒くさーい、とため息をつきながら美穂子はリビングへと向かうため、一護に背を向けた。
「つーか!背中!尻まできわどいところまで開いてるじゃねーか!!!」
「これ、私の好きなブランドの新作でね」
「新作とか!どーでもいいから!!!!」
一護は慌てて着ていた制服のジャケットを脱ぐと、美穂子にかけた。
すると、美穂子はきょとんとしてから笑った。
「大丈夫だよ。こんなのいつもどおりだし」
「!?」
美穂子はへらーっと笑うと、髪を持ち上げてヘアスタイルを整えるため、ドレッサーの前へと向かう。
一護はそれを機嫌悪そうに追った。
「本気で、その格好で行くつもりかよ」
「うん。あ、どっちのヘアアクセがいいかな?」
「…………」
「一護、ねぇ………って、え!?」