第2章 出会い
-華奈side-
松「どこにでも..はいないだろ..こんな可愛い子...」
「え..」
松「あー,いや なんでも..それより大丈夫?」
「ごめ,なさっ...」
松「華奈ちゃん?」
「ごめっ」
震えが止まらない私に寄り添ってベンチに座らせてくれた
大丈夫だよって言いながら背中を摩ってくれる松本さんの手に
少しずつ過呼吸気味だった呼吸が戻ってくる
「..なんで....?」
松「ん?」
「いや..なんでも...」
あの日以来限られた人以外に触れられる度に
震えを隠すのに苦労していた...
なのに.. それなのに今は..
どうして震えないの...?
松「..ちゃん....華奈ちゃん...?」
黙り込んだ私を心配してくれたのか
松本さんが私の名前を連呼してるのに
ようやく気づいた
「..あ...ごめんなさい」
松「謝んなくて大丈夫だから... 俺こそ遅くなってごめん怖かったよね」
「そんな..松本さんは何も悪くないです」
松「ありがとう でも、それなら華奈ちゃんも何も悪くないでしょ? だから謝らないで? ね?」
「..はい 助けてくれてありがとうございます」
松「ふふっ うんごめんよりありがとうのが嬉しい」
さっき川端先輩を威圧してた人間と
同一人物とは思えない
屈託のない笑顔で微笑みかけられた
..笑顔が綺麗な人だな....
松「..あの....」
「...?..なんですか?」
松「なんかあるの?」
「なんか..って...?」
松「...いや..やっぱなんもない」
真剣な表情で松本さんに見つめられて
心を見透かされている様な気持ちになった
探りを入れるような反応してしまった私に
真顔からすぐ笑顔に戻ってなんもない,気にしないでと
言われてホッとしてしまう自分が虚しい
松「家戻ろう? ニノも心配してる」
「でも..また怒られるかも...しれないし..」
松「まぁ、過保護すぎるって思う気持ちはわかるけどねぇ」
「過保護ってレベルじゃないです」
松「ふふっ そうだねぇ.. じゃあ..ニノの事嫌い? 過保護レベル100って感じのお兄ちゃん達なんてどうでもいい?」
「..それは...」
松「なんだかんだ好き?」
「..好き....」
松「....っ..そっか じゃあ答えもう出てるじゃん 帰ろ?」
「うーん..」