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短編ごった煮

第10章 私と君の身長差/音也(うたプリ)


「んで、音也って今何センチ?」
「175だよ」
「175かぁ……ふむ、なるほど」
「……もしかしなくても俺の相手だったら何センチかって計算した?」
「何故分かった」
「分かるよ普通!今の流れなら!」
「そうかそうか。流石だな、ちゅーしやすい相手が163センチでお似合いな相手が160センチでぎゅっとしやすい相手が143センチの一十木音也君」
「わ、わざわざ言わなくていいからっ」
「ちゅーとかお似合いなのはまだしもぎゅっとしやすい相手が143とか小学生並みの身長だよねー」
「まあ確かに、そうだね」
「そんな子にぎゅっとだなんて……このロリコン!」
「ちょ、ま、何でロリコン呼ばわり!?」
「143センチのいたいけな少女をぎゅっとしてる音也の映像を受信してつい」
「そんな想像だけで事実にないロリコンのレッテルを貼るのは流石に酷いよっ」
「あっはっは。ごめんごめん」

かなり軽すぎるノリで謝る私、対して音也は脱力したように大きく息を逃した。

「全然反省してないでしょ……」

まぁ、そうですけども。
こうして音也をからかうのは日常的なやり取りだ。
そのためか、これもいつものそれだと分かりきっている音也はすぐに落とした肩を持ち上げた。
その様子を見ながら、にんまりと笑って見せた。

「あ、そういえば、私と音也の身長差はキスしやすいのと同じなんだよ」

ゴンッ!

と、静かな教室にそんな打撃音が響いたのは私の言葉が終わるのとほぼ同時だった。
何事かと驚きに瞠れば、目の前の音也が机に突っ伏していた。
さっきの音源はこれだったのか、音也のおでこと机が見事にちゅーをしている。どうやら思いっきり打ち付けたらしい。

「なっ、ちょっと音也、大丈夫っ?」
「だ、大丈夫、大丈夫だけど……」

流石に心配になり声をかけてみてそうは返ってきたものの、未だに突っ伏したままで何やらプルプル震え始めたその様子はどう見たって全く大丈夫じゃなさそうだ。

「な、なんでいきなりそんなことを!?」

暫くして、音也は少しだけ顔を上げて上目遣いでそう聞いてきた。心なしか目元が赤い。
なんで、って。

「いや、なんとなく。私と音也も身長差そんなもんだったなと思い至って?」

これまた思いつきでしたが。
首を傾げてそう答えれば、返ってきたのは重たい重たいため息だった。
素直に答えたのに嘆息されるとはこれいかに。
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