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短編ごった煮

第9章 いつの間にか/沖田(銀魂)


「……それなりの仲、か」

自分でも言ったし、沖田さんにも言われた言葉を呟く。

私はそうだと思っていたし客観的から見てもそうだろうと思ったからこそ言った言葉だったけれど、少しだけ、そうほんの少しだけ沖田さんが不服そうに眉を寄せたのが見えた。

その後の台詞にもどこか当てつけなようなものが感じてとれたし、「それなりの仲」発言は沖田さんにとって嬉しくない言葉だったのか。
もしかしたらああ言わなかったら助けてもらえたのかもしれない。

いまさらそんなこと考えたって後の祭りなんだけど。

「「それなりの仲」に助ける義理がないんなら、「恋人」とかだったら助けたのかな」

なんとなく口に出してしまった言葉に思わず笑ってしまった。

そんな沖田さんが想像できなくて。
そんなことを考える自分が馬鹿馬鹿しくて。

あの人は根っからのドSなんだから嫌いな奴だろうと好きな奴だろうとそれなりの仲の奴だろうときっと手助けなんてしないんだろう。

むしろ自ら穴を作ってひっかけそうだ。
そんでもって落ちた奴を嘲笑ってそうだ。
うん、だってドSだもん。

助けてもらえたのかもしれない、なんて考えてもみたけれどそれはただの私の願望にすぎない。現実はそんなに甘くない。沖田さんは私に甘くなんかなってくれない。

だから、だからきっと、あの時のキスも何の甘い意味もなくてただ何かの間違いで、だから今だってこうも辛くあたってくれているんだ。

そうだ。そうに違いない。

何かがふっきれた私は、また落とし穴の出口に手をかけ精一杯の力を込めた。
沖田さんへの罵声とともに。

「乙女心をもて遊ぶ沖田なんか死んじまえーーー!!!」

そんな叫びはなんの力のたしにもならず、少しだけ浮き上がった体はけれどそれ以上は上がってくれなかった。

ああ、もうやっぱり誰か来るのを待つしかないかと、諦めて少し気をぬいたのがいけなかったのか。

ずるっ。片方の手が滑って体制を崩した。

「っ!?」

落ちる!
そう思って反射的に目を閉じてしまった私を待っていたのは、落下の浮遊感でも落ちた衝撃でもましてやその痛みでもなかった。
その代わり、上へと勢いよく引っ張られ。









「……だ~れが死ねって?」







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