• テキストサイズ

短編ごった煮

第9章 いつの間にか/沖田(銀魂)


「いやァ、知りやせんでした。ななしさんにこんな趣味があっただなんて。でもまぁ俺ァ人様の趣味にケチつけるほどちっせー人間でもねぇんで安心してくだせェ。それじゃ」
「嫌ァァァ!!変な誤解されてるのもそうだけどあっさり見捨てられてるのが嫌ァァァ!!行こうとしないで!あなたにとって私はそんな存在なの!?所詮「それなりの仲」でしかないの!?」
「なんでィ、ちゃんと自覚あるんじゃねェですか。そんな「それなりの仲」の俺がしてやれる義理なんざ上から土かけることぐらいしかありやせんぜ」
「ちょ、ま、っぶ!止めて!土をかけないで!」
「ま、せいぜい出れるまでその中でもがき苦し……基、楽しんでいてくだせェ」

沖田さんは無情にもそう告げると立ち上がって私に背を向けた。遠ざかっていく人の気配と足音に、思わず涙目になる。

変な誤解された……!落とし穴にはまるのが趣味ってどんな趣味だよ!

それより何より沖田さんの中で助けるという項目がいっさいないようなのが悲しい。
いや、あの人はむしろ楽しんでいたようだしらしいといえばらしいんだけど。

「お、沖田さんの馬鹿……!」

立って今はもういないだろうドSの悪態をつくがそれはそれは悲しくこの穴の中で軽く響いて消えていった。

もういい、一人で脱出できるようにがんばるもん!

そう意気込んで、頭一つ分高い落とし穴の出口に手をかけて力を入れてみる。
けど普段から運動不足めな私が自分の体重をそれだけで持ち上げるなんてできなくて。
何度か挑戦してみたけれど、結局はいたずらに体力を消費するだけに終わってしまった。


きっと沖田さんだったらこんなの楽々脱出しちゃうんだろうな。


ふと、そんなことを考えて私は頭を大きく横に振った。

な、なんで沖田さんなんかでてくるんだ!
あんなドS関係ないじゃないか!

そう思いつつも、こんな閉鎖空間にいたせいか人恋しくなっていたのだろう。
ずっと沖田さんのことがちらついて、私は小さくため息を吐いた。
/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp