• テキストサイズ

短編ごった煮

第4章 願わくばその瞳と永訣ならんことを/レフィ(ルミナス3)


本当のところは分からない。
メイガスではない一般生徒に知らされることは限られている。いくら私が彼や彼女たちと仲が良いといっても、それだけで特別になんてことはしてくれない。
だから、私は彼に何がおこっているかだなんて分からない。

けれど。

妖精界から戻ったあの時から、確かに私は感じとっていた。
レフィさんが変わったのだと。
根拠はない。証拠もない。ただ私の直感というなんとも不確かなものが、じわりじわりと奥底に住み着いた。それでも気のせいだと、今まで知らないふりをしていたのに。

目が見えないと彼は言った。今は右目だけだけど、いずれは左目もと。そして味覚はもうないのだと。彼は静かに言う。
グレン先輩の声が聞こえる。驚きや怒りややるせなさや、色々とないまぜになったそれが私の耳を叩く。きっと私も今口を開いたらこんな声音なんだろう。しかしそれも確かめることができない。レフィさん、と呟きたかった言葉は麻痺したように痺れる舌とカラカラに渇いた喉により、ただの掠れた音に成り下がった。

味覚はもうない?
視覚もいずれ消えてしまう?

五感の内二つが徐々に消えてしまっている。それならば、残りのものが無くならないなどとどうして言えようか。もしかしたら、これから……。

――ぞくり、と悪寒が走った。

考えるな、考えるな。
そう自分に言い聞かせて。けれどそうすればそうするほどに、私にとって何よりも考えてはいけない推測が頭を擡げる。
だめ、だめ、だめ!
出てくるなと、両手でキツク押さえ付けたこめかみが痛くて目頭が熱くなる。
それでもやはりそんなことをしたとして、何も意味を成してなどくれなかった。
ぼたりと、瞳から何かが落ちる。




レフィさんは、

「人間」じゃ

なくなってきている……?


/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp