第3章 初めはそんな出会いだった/ダークライ(ポケモン)
私は私として自覚した時から、いないも同然なようなものだった。あらゆるものから忌み嫌われ居場所なども存在しない。それを理解した上で平気で生きていくことが出来るほど馬鹿でも賢くも強くもなかった私は影のようにひっそりと生きていくことを決めた。
もしもこの特性が、ナイトメアという眠る行為をするものにとっては有害窮まりないものがなかったら。
仮定でしかない、そんな願望を浮かべる度にどうしようもない空虚と寂しさにとらわれていた。
「こんばんは」
ある日、気まぐれで近付いた人里で少女に声をかけられた。が、初めは私にたいしてのものだと分からなかった。誰かが私に話しかけるなどないと、そんな固定観念からだ。だが、反応のない、むしろ別の場所へ行こうと逃げるように動きだした私に痺れを切らしたのか、「そこの真っ黒くろすけ!あ、頭は白いけど!」とそんなことを少女が叫んだのでようやく私に呼びかけたのだと理解した。
それと同時に戸惑い。
このまま逃げてしまおうか。それとも少女のもとへ寄ろうか。初めてに等しい出来事に、混乱をしていた。
「動揺してる」
結局逃げることはおろか近寄ることさえも出来なかった私に、少女は楽しそうに笑いながら近付いてくる。その瞳は真っ直ぐ私を射ぬいていて少し居心地が悪い。慣れてない視線に思わず後ずさると、
「逃げないで!」
少女は再び叫んだ。