第45章 繋がる記憶
しかも、蛇柱である伊黒の赫刀以上に再生に時間のかかるこの斬撃。
無「……。」
既に目の前にいたカナヲの姿はなく、話し声のする方へ無惨は目を向けた。
カ「炭治郎、炭治郎…。」
ポロポロと涙をこぼし、彼の名を呼ぶカナヲ。
その声に優しく答える炭治郎。
炭「うん。遅くなってごめん。」
そのまま炭治郎はカナヲを後藤へと預ける。
炭「頼みます。」
後「あ、ああ…。」
カ「炭治郎、桜柱さまを…」
炭「うん。わかってる。大丈夫。」
カナヲを預けた炭治郎が改めて無惨へと振り返る。
そんな炭治郎の姿を目の当たりにした無惨は思わず言葉を漏らした。
鬼「なんと言う醜い姿だ…。これではまるでどちらが鬼か分からないな…竈門炭治郎。」
今の炭治郎の姿は無惨に傷つけられた右目は肉が腫れ上がり、彼の右目を完全に覆ってしまっている状態。
視界については見える左目のみが頼り。
けれど、そんな炭治郎の佇まいと縁壱の姿が無惨の中で重なる。
鬼「………虫酸が走る。」
そんな無惨へ炭治郎も淡々と返した。
炭「終わりにしよう、無惨。」