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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第117章 有馬にて


「さて、今日はどうするか…」

食事を終えた後、茶を飲みながら信長が思案するように言う。

「もう少し町を見て回るか?まだ見ておらんところもあるだろう」

「そうですね。足湯にもまた行ってみたいです」

「気に入ったか?」

信長の問いに、朱里は湯気の立ちのぼる茶碗をそっと両手で包みながら頷いた。

「はい。町歩きの後に入ると疲れが取れますし、何より何となくほっと致します。皆と一緒に並んで入るのも楽しいです」

饒舌に語る朱里を信長は微笑ましい気持ちで眺める。

(朱里のこのような笑顔が見られるなら、来た甲斐があったというものだ)


少し休んでから宿を出ると、有馬の町は昨日と同じく賑わっていた。湯治客や商人達の声が行き交い、活気に満ち溢れている。
昨日とは違う小道に入ってみると、そちらにも様々な店が立ち並んでいるのが見えた。
坂を登り小道の奥へと進んでいくと、人の賑わいはそのままに、どこか落ち着いた趣のある一角へと辿り着く。木の香りがふわりと漂い、朱里は思わず足を止めた。

「……いい香り」

視線を巡らせると、小ぢんまりとした工房があった。軒先には精巧に編まれた美しい籠がいくつも並べられている。素朴でありながらもどこか温もりを感じさせるそれらの品に、朱里の目は自然と引き寄せられる。

「ほぅ、なかなか良い細工だな」

信長もまた、それらに目を止めて軒先を覗き込む。

「この地で作られたものでしょうか?」

朱里は一つ、手に取ってみる。思ったよりも軽く、指にしっとりと馴染む感触が心地良い。

「随分と細かく編まれているようですね。編み目も揃っていて、作りもしっかりしてる。良い品ですね」

そのまま夢中で眺めていると、奥から職人らしき男が顔を出した。

「いらっしゃい。なんぞお探しやろか?」

「あ…あの、この籠はこちらで作られているのですか?」

「へぇ、これは『有馬籠』と言いまして、この地の名産品です。有馬は、色つやが良く滑らかで強度も程良い良質な真竹が採れる土地でして、それを細い竹ひごにして、一本一本、職人が編んで作ります。手間はかかりますが、その分、丈夫で長く使えるんですわ」

店の奥が作業場のようで、細く切られた竹や編みかけの籠などが置かれている。

「こんなに細かく編めるなんて…すごい」


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