第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
無言のまま見下ろすセベクに不安げに問いかける。先程の抱擁の件といい、こういう誘いや願いにはまず拒否を示し、ねだってねだってようやく仕方なく付き合ってくれる所にこぎつけられることは知っていた
先手を取って聞いたのは、彼が嫌がる素振りを一度でも見せればもうその時点で諦めをつかせるため。夢の中とは違い火急の時でもない今、彼への無理強いはもうするつもりはなかった
そんなことを思いながら返事を待っていると、一方的に掴んでいた手がゆっくりと握り返され、己を射抜くアンティークゴールドに静かに熱が灯っていくのが見えた
セベク『...いいだろう。お前の散歩に僕も伴をしてやる』
『『『え!?』』』
誰もが絶対に断ると思っていた彼の口から出たのは、あまりにもアッサリとした了承の言葉。その声色が穏やかなのも含め、もしやあの戦いで頭を打ったのか、傷がまだ治っていなかったのかと憶測の理由が頭の中を飛び交う
そんな事を知ってか知らずか、セベクは繋いだ手をそのままに空いている手でレイラの頬に触れ親指の腹で白い肌をなぞる
セベク『ついでに食生活もお前に合わせて僕が手ずから見直して選んでやる。だがクラスが違う分、授業の関係上さすがに毎日とは言わんが、予め曜日を決めてその日は食事を共にするぞ』
『いいの?』
セベク『なんだ、不満か?言っておくがお前のためでは..お前のため"だけ"ではない。来たる若様主催のパーティーで、そんなフラフラでいつ倒れるか分からんお前をご覧になったら、酷く悲しまれるに違いない。僕はそれが嫌なだけだ』
勘違いをするな、と言う口調とは真逆に頬をなぞる力は優しく、大きな手のひらに温められる心地よさにうっとりと深紅の瞳がとろけた