第70章 親友(青峰大輝)
あれから数ヶ月。
龍ヶ崎とは結局、友達のまま。
だけど前より目が合わなくなった気がする。
話していてもどこか上の空のあいつ。
今日で高校最後の日。
卒業生代表の答辞を聞いて、涙するヤツらを横目に俺はただ龍ヶ崎のことだけを考えていた。
「大ちゃん!」
「なんだよ、さつき」
「写真、撮ってあげる」
「んなもん、いらねぇよ」
「違うよ。頼華ちゃんと写真、撮らなくていいの?」
「…は?」
「ずっと見てきたよ、2人のこと。」
「…」
「最後のチャンスじゃない?」
「…でもあいつは、」
「…大丈夫だよ、大ちゃん。」
そう言って笑うさつきに、俺の足はようやく走り出した。
「…見つけた」
バスケ部の後輩から花束を受け取っていた龍ヶ崎の手を引く。
「…青峰、」
「…あー、っと…」
「…どうしたの?」
「…写真、」
「写真?」
「…写真、撮ろうぜ」
俺の言葉にきょとんとする龍ヶ崎だったが、こくりと素直に頷いてくれて。
「大ちゃん、頼華ちゃん笑って!」
「あーもう!そんな離れてたら写らないって!」
さつきの言葉に俺は龍ヶ崎の肩を自分に寄せた。
「…龍ヶ崎。お前が好き。」
3、2、1と数えられるカウントダウンの最中に、俺は龍ヶ崎にしか聞こえない声でそう呟いた。
と、同時にネクタイが引っ張られ頬に柔らかいものが当たった気がした。
「…遅いよ、青峰」
ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、バカ、と俺の胸を叩く龍ヶ崎。
「…私も、青峰がすき、」
親友からはじめよう
(この先何があっても)
(龍ヶ崎となら大丈夫と)
(そう思ったから)
待たせたな、そう言えば嬉しそうに笑う龍ヶ崎の顔を見て、俺は返事と言わんばかりに彼女にキスをした。
(大ちゃん大胆〜)
(…ばか青峰、ここ人前…)
(良いんだよ、牽制だ牽制)
end
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実は前のお話と少し繋がってました。笑
おまけ→