第2章 こいつら何したいのかわからない
「行くぞ、奏」
「…たく…はいはい」
勝己は早々に帰っていた。あの人と話ししたのかと思ったが後から教室に来たので話したわけではないようだ。ちなみにその後、クラスメイト全員とメールアプリを繋ぐようになってしまった
「…綺麗だ」
ボソリと焦凍が何かを呟く。
「…何、何か言った?」
「いや、何もねぇ。昼飯何食ったんだ?」
「…え?」
「お?」
「…本読んでて食べてない…」
「おいおい。朝飯も食べてないなら倒れるぞ。そうだな、着替えてからどっか食べに行かねぇか」
「…うん」
言われて思い出した…お腹すいた…
家につく。イレイザーはまだ帰ってきていない
「そこ、座ってて。着替えてくる」
普段ならリビングで着替えているところを流石に男子の前では着替えたくないので洗面所で着替える。こういうときに限ってズボン洗濯中なのなんで…。膝上くらいの水色のスカートに合わせてスパッツを履き、上の服は白無地のYシャツ1枚。
「お待たせ…」
リビングでは焦凍が胡座かいて座っていた。慣れすぎだろう、人の家で。自室の白基調のお財布ポシェットを取り肩にかける
「…行くぞ、早く」
「おう、俺の家の後どうする?」
「…好きなとこ行けば?どこでもいい」
机に置き手紙を残し、家に鍵をかける。イレイザーが鍵を忘れていたのを確認し、ポストの中に入れておく
「…腹減ったろ、急ぐか」
「…別に大丈夫。急がなくても」
「そうか」
と短い会話をしていただけなのに焦凍の家につく。上がらせてもらうと、白髪の女の人がいた
「お帰り焦凍…ってその子誰?」
「ただいま姉さん、クラスメイト」
「…お邪魔します」
軽くお辞儀すると、焦凍に手を捕まれ引かれる。そのまま二階の部屋に連れて行かれた。シンプルな部屋。別段変わったものはなかった
「俺の部屋。着替えるから待っててくれ」
「…は?」
「お?」
「腐っても私女子なんだけど…」
「それがどうした?」
「え?」
「別に問題ねえだろ。嫌か」
「…別に、気にしなければいい話だった」
どういう意図してそういう事を言ったかは知らないが、相手が気にしていないならこちらも気にする必要はない。放っておこう