第15章 期末テスト
「凄いのは、八百万の方よ。こんな方法を思いつくなんて。発想力が凄いのね」
「いえ、しかし…カタパルトの発射の時、私はミスを犯しました。先生はあれに気付いた上で距離を取った…あの隙に防げたはずなのに…先生は、故意に策に乗ったよう見受けられました」
「焦凍のことを警戒したんでしょ?イレイザー」
「あぁ。轟は見えなかったから、凍らされると思って俺は最善手だと思って引いた」
「でもそれは八百万の策略通り…ってわけなんだよね。イレイザーのことだし」
「流石、よくわかってやがる」
「本当に時間があればよね。ありがとう」
「ありがとな」
八百万が口元を抑える。照れてるのか感動してるのだろうが、焦凍は吐きそうと判断したらしく何か言っていた
『報告だよ。最初の条件達成チームは轟・八百万・古率チーム!』
「…やったよ。1番だ」
ニコ、と八百万に微笑みかける。もしかしたら焦凍以外に微笑みかけるのは、初めてかもしれない
(こいつも随分柔らかくなったもんだ…最初は俺のこと警戒するか気使おうとするかの二択だったんだがな…)
「…イレイザー、何か変なこと考えてるでしょ」
「あぁ、いや。お前ら変わったなと思ってな…」
その後リカバリーする部位はなかったので、そのまま休憩室に行った。八百万とは、友達として距離が縮まった気がする
「…にしても、古率さん、大丈夫でしたか?」
「え?」
「筆記の話ですわ。殆ど来てなかったというのに…」
「あはは…色々あってさ。でもインターン前に勉強してた範囲が殆どだったから…」
「それに、こいつ多分元々の頭もいいんだろうしな」
「ふっふーん、焦凍には負けないわよ?八百万には負けるけどね」
「…ところで古率さん、2回も申し訳ないのですが…黒い布を出していただいたあとから顔色が優れないように感じられます…どうかされましたか?」
…口から出た量だけでは決して、致死量ではなかった
医者に言われた言葉…もしかして
「もしかして…私、血液を消費して具現化してる…?」
「…有り得ねぇ話じゃねえけどな…」
手に小さめのスーパーボールを作る。この時点でかなりフラっと来た
「八百万、短剣とか出せる…?」
「え、えぇ…」
渡された短剣。スーパーボールを切ると、中から赤い液体が出て来た
「…確定だな」
「っ…これあれだ…痛覚共通して…っ…」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
