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私だってヒーローに

第14章 インターン


『ばいばい、奏』
その声と同時に、起き上がった。視界が、ボヤッとしていて何が何だかよくわからない。ただ、腕に針が刺さっていて、点滴されていることがわかる
コンコン、とノックが響いて、ガラガラと音がした。音の方では景色が少し変わっている。ここがどこだかよくわからないが、様子的に病院なのか?
「古率さん!?起きてたんですか!?」
私の名前を呼ばれた。コクン、と頷く。入ってきた、声的に女の人は慌ただしい声を発しながらどこかへ行った
「…焦凍…」
ボソリと呟く。これじゃあ、声が聞けても、顔が見れないじゃない…
今何時なのとか、あれから何日経ったとか、全くわからない。しばらくしてまた慌ただしく誰かが入ってくる。曰く、私の担当医になった人らしい。色々質問され、答えた。その後からまた誰かが入ってくる
「奏!」
その声は、聞き慣れたもの。でも焦凍ではないもの
「…イレイザー…?」
「あぁ。大丈夫か?」
「…うん。ただ、何も見えないの…」
その後、少し話し、焦凍と爆豪に会いたい意志を伝えると、わかったと言われた。静かになった
「…三月…?」
あの、ばいばいって…?
だけど、いくら待っても返事はなかった。というか心の中に存在しないような感じになっていた。あの言葉…多分、三月が私のことを助けて死んだんだ…爆豪が、悲しむだろうに…

目覚めてから、もう多分2日くらい経った。私の面会謝絶はなくなり、誰でも来られるようになった。けど平日なのだろう。誰も来なくて、本もこの目じゃ読めない。医者からは最低でも2週間はこのままだと告げられた。個性の大幅な許容量オーバーに対する不可らしい。
ガラガラと、ノック音もせず誰かが入ってきた。ここの関係者じゃあり得ない。振り返る前に、誰かに抱きつかれた。懐かしい体温
「…焦、凍…」
「奏…!よかった…」
「…俺もいんだけどよ」
「…あのね、二人に話があるの」
ポツと、言った
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