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私だってヒーローに

第14章 インターン


轟side

「…奏…?嘘、だろ…?」
「…古率さん…」
「まだ間に合うはずだ。諦めるな。もうじき救急車が来るはずなんだ。轟くん、彼女の血液型を知っているか?」
「…いや、知らねぇ」
「なら、誰か知っている人物…」
真っ先に思いついたのは、相澤先生…
携帯を取り出し相澤先生にかける。数回のコール音の後、ガチャリと出る音が響く
『どうした轟。』
「相澤先生…!奏の血液型…知りませんか!」
「あぁ、あいつならお前と同じOの筈だが…何かあったのか?」
「許容量オーバーで血吹いて死にかけてます…また病院ついたら連絡します」
返事をロクに聞かずに電話を切る。その後すぐに救急車に奏は運ばれていった。俺も付き添いで行った。保須総合病院につきすぐ集中治療室行きだった。救急車内の診断だけでも、相当やばい状態だったらしい
「彼女の血液型は…!」
「Oです!」
「先生!先程の人達で全種類の血液が在庫切れです!」
その時に、緑谷達がついた
「どう…?」
「血液が足りねえ。どうすれば…」
「…轟くん、O?」
「あぁ、そうだが…」
「僕もだよ。男子二人分あれば、助けられる…!」
「先生。俺らの血液、使えますか」
先生がすぐに意志を汲み取ったらしく、俺らの血液を使って一命を取り留めた…が、強制面会謝絶。相澤先生と関係者以外、あいつの病室には立ち入り禁止だった
「…大丈夫だよ、轟くん」
「…緑谷…」
「古率さんは、君のこと好きって言ってたでしょ?きっと、帰ってきてくれるよ」
「…あぁ、ここで俺らが待たなきゃ、あいつの帰ってくるところはねえよな」
でも、あいつは俺らが退院したあとも、インターンが終わったあとも、まだ目を覚まさない。
相澤先生は、このことをクラスの奴らには言わなかった。先生同士に言ったかは知らないが、俺も緑谷も飯田も、誰も誰かに言うことはなかった。
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