第14章 インターン
「感化され取り繕おうとしても無駄だ。人間の本質はそう易々と変わらない。お前は私欲を優先させる贋物にしかならない!“英雄”を歪ませる社会のガンだ。誰かが正さなければならないんだ」
「時代錯誤の原理主義だ。飯田、人殺しの理屈に耳を貸すな」
いや、あながち間違った理論じゃない。ヒーローは利益をかえりみず人を救ける存在でなければならない。けど最近は、派手でかっこいいことをして有名になって、お金や名声を得るためにそういうことをしてる人の方が多いのも事実。だけど粛清なんて間違えてる。だから私は戦う。例え死んだとしても
「古率くん!温度の調整はできるか!?」
「え、温度!?できないことはないけど…」
「俺の脚を凍らせてくれ!排気筒は塞がずにな!」
飯田の脚に触れようと一歩出たタイミングで、それより前に飯田が来る。そのまま投げナイフに当たり、倒れた
「ごめん…!すぐにする!」
「謝るな!いいから早く!」
飯田の脚に触れ、最大で凍らせる。その時に左手にあった重みがなくなり、ゴンという音が響いた
(許容量…でも、凍らせるくらいなら問題ない!)
飯田が立ち上がって、私も立ち上がる。私の体は銃や弾丸、日本刀や氷で限界に近かったが、それでも立った
「行って…」「行け」
ヒーロー殺しの体に、緑谷の拳と飯田の蹴りが炸裂する。
振ってきた3人を焦凍がキャッチした。
「立て!奴はまだ…」
「…流石に気絶、してる…」
「じゃあ拘束して通り出よう。何か縛れるもんは…」
手から、ロープを出す。私自身は握れない
「…私、できないから、お願い、焦凍…ゲホッ」
「「古率さん(くん)!」」
何かが込み上げそうで、口元を抑える。次に手を見たタイミングでついていたのは、血だった
「あは…許容量、大幅に超えた…焦凍の時と同じだ…」
フラっときて、体の力が入らない
「ゆっくり追いかけるから、先…」
「動けるようになったし、俺がおぶるよ」
そう言ってきたのは、やられかけてたらしいプロだった。素直に頷き背負われて細道を抜ける
「細道…ここか!」
「子供…!?」
「口から血流してるやついるぞ!救急車呼べ!」
「おいこいつ…ヒーロー殺し!?」
プロが多分、一番パニクっていた