第14章 インターン
保須市に無事到着した私達。パトロールなどをしていた
「何あれ…USJの時の…?」
「似てるな…でも違ぇ兄弟かなんかか?」
「…強い…」
エンデヴァーさんは、やはり2位と言うだけあって、実力は凄かった。USJの時の敵を、一瞬で倒したのだ
「次に行くぞ!」
その時、焦凍と私のコスチュームが揺れた。携帯がメールを受信したのだ
「何している!携帯じゃなく俺を見ろ二人共ォ!」
メールは、緑谷に一括送信で位置情報、『江向通り4―2ー10の細道』と記されていた。緑谷は意味もなくこんなことするやつじゃない。そう確信した。からきっと『ピンチだから応援を呼べ』の意味だ。しかもここから近い。焦凍と顔を合わせ、踵を返した
焦凍がエンデヴァーさんに場所を伝え、走って向かう
「っ飯田!」
隣で、炎が出た。焦凍が右を使ったのだ
「次から次へと…今日はよく邪魔が入る」
「緑谷…こういうのはもっと詳しく書いて」
「遅くなっちまっただろ」
「なんで…それに、右…!」
「何ではこっちの台詞!」
右手に日本刀、左手に銃を出しながら言う。
「数秒、意味を考えたよ。一括送信で位置情報だけ送ってきたから」
「意味なくそういうことするやつじゃないでしょ、あんたは。“ピンチだから応援呼べ”っていうのはすぐにわかったわ」
「大丈夫だ、数分もすりゃプロも現着する」
焦凍が氷を使って動けない人達をかき集める。
「情報通りのナリだな」
「こいつらは殺させないわよ、ヒーロー殺し」
緑谷からの情報は、血の経口摂取で自由を奪うとのこと。なら、日本刀より投げナイフ投げた方がいいわね。日本刀を地面に捨て投げナイフをヒーロー殺しに向かって投げる
「痛っ…!」
「大丈夫か…!」
投げナイフが、頬を掠め血を出した。まずい。早く止めないと、ヒーロー殺しに…
「止まってろ」
「っ!」
ヒーロー殺しがあの一瞬で間合いを詰め、直接舐めかかろうとして来た。一歩下がり、日本刀で斬りつける。一旦は下がった
「危な…」
「何故…なぜだ二人共…やめてくれ…」
突然、飯田がポツポツと呟き出した
「兄さんの名を継いだんだ…そいつは僕が…僕がやらなきゃ…」
「おかしいな。継いだのか。俺が見たことあるインゲニウムの顔は、そんなんじゃなかったけどな」
焦凍が、前方に氷を出す
「駄目…!そんなことしたら!」
