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私だってヒーローに

第12章 私にできること


決勝はトーナメント。くじ引きの初っ端から相手は…
「…飯田…」
多分私が、焦凍を抜けば一番信頼してる男。
「古率くんか!よろしく頼む!」
「…えぇ…」
トーナメント表。この通りなら私か焦凍、どちらかしか決勝に行けない
そして私は…きっと、いやほぼ絶対、焦凍に負ける。けどここで負けるわけには行かない…
「…集中力高めてくる…」
ここまで来ると私も、のんびりはできない

「…お前か、アレのは」
周りには、私しかいない。でも、この人は知らない
「…私ですか?何方でしょう…」
「エンデヴァー、と言えばわかるか?」
…私に何の用だろうか
「焦凍のお父さんがなんの御用でしょうか」
「個性、見させてもらった。使い方といい、乱雑な部分は多いが、いい個性を持っている。お前ならアレの嫁として認めてやろう」
「…それは、個性しか見てませんよね…」
「そうだな、アレが無理ならその次にかける気だ。君程の個性があればきっと…」
アレアレ…って、焦凍を、モノ扱いしてるわけ…?
「焦凍は、貴方にとって何なんですか?」
「…オールマイトを、超えさせるためだけにつくった仔だ」
どこかで、予想してた答え。それなら、私の答えは決まっている。
「彼にも伝えましたが、私は焦凍と一緒にいたい。その気持ちは本物ですが…貴方に私の個性を利用され、彼どころかいつかできるはずの私達の子供までも傷つける気であれば…私は彼、いや皆の前から消える覚悟はできているつもりです」
「何だ、アレを愛してはいないのか」
「…好きですよ。愛してます。だからこそ、傷つく彼を守りきれる気がしないから、私のせいであれ以上傷つけたくないので、その覚悟はしているんです。失礼します」
あの言葉は、後先考えずに言った。つまり本心だ。私だって皆の前から消えたくはないけど、焦凍を傷つけるくらいなら、私が、一生悲しいだけの白黒の未来を選ぶつもりだ。
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