第11章 体育祭
騎馬戦がスタートし、やはり皆迫ってくる。
「麗日、個性!」
「はいっ!」
返事を確認し、歌い出す。皆の体重はないようなものになってるはずなので軽々と浮ける。だが、耳郎が防ごうとイヤホンを伸ばしてくる
それを常闇の個性が防ぐ
「いいぞ黒影、常に俺たちの死角を見張れ」
「アイヨ」
「着地するよ!」
個性の歌声を少し変え、ショック吸収する。私は、状況を見張って心の中で三月に指示して歌うだけ。
「障子くん!?アレ!?一人!?騎馬戦だよ!?」
「一旦距離を取れ!複数人相手に立ち止まってはいかん!」
その時、足からブニっと音がし動かなくなる。動かそうとするが、動きそうにない
「っ、麗日!常闇!持って!」
「う、うん!」「わかった!」
学校に申請して持ってきたヒーロースーツの白に水色の線が入ったブーツのテープを取り、抜き捨てる。紫ボールのせいで遠くには飛ばないが、脱ぐことはできた
「〜♪〜♪」
歌い出し、飛び立つ。靴が地面に残ったままなのだが、ブーツは布が中に入っていたので足は裸足になった。そのことに気づいた峰田が
「あぁぁぁ古率の生足入ってた靴ほしぃぃぃ!障子、取ってくれぇぇ!」
「よせ、殺されるぞ」
といったやりとりをしていた。後でどう処理しようか
「かっちゃん!?」
瞬時に声を変えバリアを張る。空中で何もされてないのに攻撃を阻止された爆豪が表情を変え、舌打ちし瀬呂に回収される。ちなみに騎馬から離れてもテクニカル判定でルール違反ではないらしい
「あ…」
そこでピタリと歌うのをやめてしまう。ガードしてしまい、飛行は止まる。そのまま勢い良く落下し、途中から歌いだしても間に合わない。なら温存して落ちた途端回復する方が…いや、騎手が地面に落ちたらアウトだから…
そこでフワ、と体が浮く
「大丈夫!?奏ちゃん!」
「うん、ナイス!」
麗日が個性で浮かせた
しばらく爆豪の時と同じようにガードして回避を繰り返していたが、ただでは済ませてくれないようで
「そろそろ盗るぞ」
後半分のところで、焦凍が来た
「時間は半分!足止めないでね!仕掛けてくるのは1組だけじゃない!」
「それどういうぅぅぅ!?」
体中に電気が走る。痺れ、体が動かない
「ゲホッゲホッ…っぅ…」
『大丈夫!?』
…うん、でもどうにかして私達だけ回復できない?
『それは…』
