第11章 体育祭
次は騎馬戦。皆爆豪に組もうと誘っていて、私が入る隙間はなさそうだ。焦凍は、組む人をすでに決めているようだった
「…緑谷」
「え、あ、何!?古率さん!」
胸の前に手を添えながら近づく。そうしないと、緊張で胸が張り裂けそうだった
「…私と組まない?駄目ならいいんだけれどわっ!?」
緑谷が噴水並みの涙を流す。どうしてだ
「でも、轟くんじゃなくていいん?」
その言葉に返事しようとしても、声が出なくて。そっと、首を横に振って笑う
「ほら、早く後一人選ばないと時間なくなるわよ」
ようやく発せた声で言ったのはそれだけで。声はなんとか作れ、少し楽しみな声を出しながら言った。そして、最後の一人は…常闇だった。
「…古率さんは、騎手をお願いできる?」
「…どういう考えかはわからないけど、断っておくわ。」
「えぇ、なんで!?」
「最適だと思ってはいたんだが…」
「私の個性だと、騎手をして攻めるよりは騎馬をしてサポートする方がいいわ。確かに筋力はないし支えるなら体重47切ってる私で男二人女一人で支えた方がいいとは思うけれど、それでもやっぱり、下でサポートする方が向いてると思ったの。それより、緑谷の方が向いてると思う」
「ど、どうして!?」
「冷静さ、それに分析能力の高さは、焦凍も褒めてた。つまりそれだけの能力の高さはある。だから私も選んだんだけれど…だから、下で指示するよりは上で司令塔になってもらう方が確実よ」
その間も、微笑むことを忘れない。だって、気を抜いたら…感情が丸々表に出そうだから
「それに、この組は実質4人よ」
「え?」
「あ、ごめん。忘れて」
危ない危ない。このことはなるべく秘密にした方が楽なのよ
「にしても奏ちゃん、軽いんやね!背高いやろ?なんぼなん?」
「…175。普通でしょ。体重は…殆ど食べてないし…」
「え、でもそんなん疲れるやろ?」
「…食べる方が疲れるし…まぁ、焦凍となら…」
「ふふ、ごちそーさん!」
「…?」
普段は素麺しか食べれないのだが、焦凍と一緒だとご飯系のクレープが食べれたのは事実だ