第6章 私が
しばらくそうして見つめ合っていると、メールアプリの通知音が聞こえた。
「ごめん、確認するね」
「あぁ」
差出人は…勝己
勝己_最寄り駅教えろ。行ってやる
『唐突すぎない?今週は無理ってば』
勝己_日曜日は週変わってんだよアホか
『仰るとおりですけど』
勝己_さっさと教えろや。じゃねえとお前の家凸るぞ
なんで私の家知ってるのに最寄り知らないのこの人…
「どうした」
頭を抱えてため息をついた私を心配したのか話しかけてくる
「…勝己。今日会いたいって、言ってきて…」
「…駄目だ。今日も、お前は俺のもんだ」
「けど、なんか家来るって…」
「チッ…わかった。でも朝飯は食ってけ。放置すっと食わねえだろ」
「…っ…」
うん、と返事しようとしたのに、突然強い頭痛に襲われる。それに耐えることができず、意識を手放す
???視点
こいつホントにアホね〜勝己くんと会える機会逃すとか、あり得ないわ。処女もこいつに捧げるとか本当にアホってレベルじゃないわね。
「奏…!」
「違うわよ。間違えた名前で呼ばないで」
「は…?」
「そうね…私は三月…今から勝己くん会ってくるから荷物は置いておいて。朝食もいらないわよ。じゃあね」
と扉を開けて外に出る。奏の記憶があるから迷うことなく、自然な動作で外に出れた。
『今から〇〇駅行くから、来て。待ち合わせしよ』
勝己_了解
奏何気に服のセンスいいじゃない。襟付きのブラウスに黒ベースに赤の線が入ったミニスカートなんて。鞄のセンスも抜群だし。勝己に会うのにちょうどいいわ。
「あ、勝己!」
「来たんか。言ったら迎え行ったのによ」
「早く会いたくてさ。何処か行きたいとこあるの?」
「いや…とりあえずこっち来い」
「うん」
と大人しくついていく。人気の少ない場所に行ってすぐ、キスされる。何なに両片思い?最高!
「…好きだ。俺と付き合え」
「うん!よろしく。」
ニコ、と満面の笑みで答える。それで顔が赤くなる勝己くん可愛い!あ、呼び捨てか
「…俺の家。誰もいねえから来い。」
「わぁ、いいの?行く!」
「…」
フッと、何処か勝ち誇ったような笑みが愛おしい