第4章 お泊り
「うわ…広…」
とモデルガンに弾を詰めながら言う。というかモデルガン出せたならモノホンも出せそう。イレイザーに怒られるのは目に見えてるけど
「じゃあやるか」
「うん、準備はいいよ」
「頑張れー、焦凍ー、奏ちゃーん」
「はーい」
冬美さんが応援してきていたのでそれに答える
「よーい、スタート!」
その掛け声を合図にまず1発。やはり無駄な動きなく氷に塞がれる。その視界が悪くなった内に回り込み乱れ撃ちしていくが、それらも全て氷漬けにされる。
「当たり前だけど強い…」
こちらも1発当てればという条件なので当然焦凍も氷を私に当てればクリアだ。負ける。それが指先であれなんであれだ。当てた当ててないはお互いが一番わかるはずだ
弾を走りながらもう一度詰め直すともう片方の手にもモデルガンを作る。両手にモデルガンを持つと、両方焦凍に向け放つ。
「危ねえ…」
裏の裏を取らないと…
「あっ」
そうだ。いいこと思いついた
焦凍に向け弾を放つ。広い範囲に向けて打ったので、氷の範囲も広い。その間に弾を再び補充し走り出す。一か八かの勝負だけど…
氷の壁の隙間を後ろに回り込む。これで気づかれてなかったら勝ち…!
「やっぱりな」
そのまま爪先に氷を当てられる。
「う…いい作戦だと思ったのに…」
「でもまぁ俺の氷で視線を塞ぐっていうのは親父にない考えだし、一瞬焦った」
「ふふん、ていうか…これ、全部溶かして外に出すんだよね」
「おう。大丈夫だ」
そう言って突然体から火を出す
「!?火!?」
「おう。出るぞ」
「知らなかった…」
「前授業で使わなかったか?」
「…映像見てない。興味なかったし」
そこで暖かい風が、焦凍と反対の方向から来たことに気がつく。暖房か
私は出口に近いところの水を作り出した小さい箒で掃き出していた。腰が痛い
「お疲れ様。大丈夫だった?寒いと思うけど…」
「あ、大丈夫です。焦凍が温めてくれたので…ていうか現在進行形で…」
「だから手を繋いでるのね。」
温かい手。それは焦凍の個性からだ
「熱くねえか、温度」
「うん、丁度いい。でももう焦凍と戦うのは御免かな…」
強いし、と言う。
「じゃあ先にお風呂行っておいで。その間に晩御飯作るわ」
そんなに時間かかったのか…と思うと、確かに4、5時間ぶっ通しで戦っていたらしい。