第2章 いつの日か(跡部)
俺様たちの番になり教会の中に入った。そこで渡されたのは装飾された箱に入った指輪だった。
「二人には指輪交換をしてもらいます。写真なので喋って貰っても構わないけどとにかくリラックスしてね。」
カメラマンはそういいながら#名前#の肩をポンと叩いた。そっちの方に目を向けると端からみても緊張していると分かる#名前#がいた。
「お前、緊張しすぎだ。」
「だって・・まさか指輪交換が回ってくるとは思わなかったんだもの。跡部は緊張してないの?」
俺様はこんなことくらいじゃ緊張しない。と言いたいところだが正直緊張している。まぁ相手がお前じゃなきゃなんともないが・・。
「俺様がこんなことくらいで緊張すると思うか?」
#名前#の前にスッと右手を差し出す。#名前#も右手を出す。その手を取って神父の前まで導いた。
「カメラなんか気にすんじゃねぇ。お前は俺様だけ見てろ。」
「・・うん。」(よくそんな恥ずかしい台詞を)
「ほら左手出せ。」
まきは言われた通りに左手を差し出した。その左手の薬指に指輪をそっと通した。
「好きだ。」
「へっ!?あっアドリブね。」
!?
俺様のサプライズな告白に一瞬驚きながらも『アドリブか』という返しに今度は俺様が驚かされた。
「なんでそうなるんだ・・」
「?」
まぁ機会は今日だけじゃねぇ。絶対に気づかせてやる。
一応写真は撮り終えたようでカメラマンからのOKサインが出た。まきが緊張していたので少し離れたところから写真を撮っていたカメラマンには俺様たちの会話は聞こえていないようだった。
撮影が終わり、着替えを済ませ帰るとき教会を外から眺めながら、
いつかここでお前と本当の指輪交換をしてやろう。
と誓った。
fin