第1章 プール掃除(宍戸)
嫌な予感というものはどうしてこうも当たるのか。
遊んでいる部員たちに呆れながらも落ち葉拾いに戻っていると背中に水が掛かった。
「あっ、悪ぃ手元が狂った。」
「まきごめん。」
悪いと思っていなさそうな口調で謝るとまた遊びだす部員たち。
「ちょっと!!」
「向こう向くな!!」
注意をしようと振り向こうとしたとき宍戸に前から肩を掴まれた。そのまま宍戸ごと後ろにクルッと回って宍戸によって私は隠された。
「宍戸・・?」
「あのよ・・その、」
何も言わないままプールサイドの方に押されていく。
プールサイドに着くと上からフワリとジャージが掛けられた。
上を見るとさっき眠ってしまって起こすのを諦めたジローが座っていた。
「まきちゃん下着が透けてるんだC~。」
「!!!?」
パッと下を見てみると言われた通り下着が透けていた。水が掛かったのは背中だったのに前の方にも掛かっていたようだ。
じゃあ宍戸がとっさに庇ってくれたわけか。
宍戸を見てみると、顔を真っ赤にしている。
「宍戸・・・ありがと。」
「別にいいけどよ。お前そういうとこ気を付けろよな一応女なんだから。」
いつもなら言い返してどつくところだが今日は黙っといてやろう。
fin