第2章 幼馴染
「らーんッ!!おはよう!ついでに悠と工藤君も!」
「園子!おはよう!」
『「俺達はついでかよ…」』
高校の校舎に入ると聞こえた大きな声にもう少し声量抑えろよと周囲からの視線を感じて思いながら近づいてくるもう一人の幼馴染、鈴木園子。彼女もある意味有名で鈴木財閥の令嬢というのだから驚きだ。
目の前で楽しそうに話しをしたまま廊下を歩く蘭と園子を視界に入れたまま再び小さな欠伸を溢し、それを見た新一が可笑しそうに笑うものだからジロリと睨んでやる。
『…んだよ…お前もバカな奴とか思ってんの?』
「いや、かわ…っ、昔から変わらねえなって思ってよ」
途中言葉を言い換えた新一に不思議に思うも推理小説読み始めたらお前も一緒だろと呟いた。
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新一達とはクラスが違うため教室前の廊下で別れ、自身のクラスへと入ればクラスメイトが次々おはようと挨拶してくるのを1人1人返事を返して席に着く。
「悠!昨日のアレ見たか?すげえヤバかったよな!
『あー、アレな。でもちょっとやり過ぎじゃね?』
「それがまたいいんだって!」
席に座ると待ってましたと言わんばかりに近付いてくるクラスメイト。
昨日放送されたドッキリ番組の話題を振られ感じたまま答えるというやり取りを数回繰り返していれば、鳴り響くチャイムの音にまた後でと言って席に戻って行く姿を一度見てから自身も授業の準備を始める。