第2章 幼馴染
『…ふ、ぁ……眠……』
「ちょっと、悠…また夜更かししたの?」
昨夜久しぶりに発売された好きな作家の小説を読み始めたら止まらなくなってしまい、気が付くと時刻は深夜の2時を指していたので慌てて就寝するも全然寝足りずで先ほどから欠伸が止まらない。
そんな俺の様子を見て隣を歩いていた妹、毛利蘭からの呆れた声に仕方ないだろと返す。
『3年ぶりに新作が出たんだから仕方ないだろ…。…まぁさすがに2時に寝たのはまずかったかなとは思うけど…』
「2時!?…もぉ、そんなんで今日の授業ちゃんと受けれるわけ?」
『大丈夫だって。2時間目は確か自習になるって言ってたからよ。その時に寝るッ!』
「寝るって、何の話してんだ?」
俺が小説好きなのは蘭もよく知っているのであまり強くは言わないものの、心配してくれているのは分かっているので心の中で感謝してから今日の2時間目が自習になることを事前に聞いていた事を話し、寝るならそこしかないと言い切った俺に対してまた呆れた顔した蘭。
自習の時間ぐらいいいだろと続けて口を開こうとした時に後ろから聞こえてきた声。誰かなど見なくても分かる、俺と蘭の幼馴染だ。
「新一!ちょっと聞いてよ、悠が…」
「あー…どうせ小説に夢中になって寝不足なんだろ?」
『さっすが名探偵!』
「バーロ、んなもん推理するまでもねえよ…(何年一緒に居ると思ってんだ)」
俺達に声をかけてきた幼馴染、高校生探偵として今や有名になった工藤新一。
蘭が言いたかった事を完璧に言い当てた新一にさすがだなと感心し、そのまま当たり前のように三人一緒に学校へと向かった。