第2章 幼馴染
寝不足のせいかいつもより長く感じた授業を終えて漸く次は自習の時間!
もともと寝る気満々だったので、どうせなら今から寝ようと両腕を枕代わりに机の上に置いて目を閉じた。
「ねえ、悠…寝ちゃってるんだけど…」
「マジ?ちょっと!起きなさいよッ!」
……なんか煩いな……
「聞いてんの!?ちょっと!!ねぇってば!!」
…………………っっっっ!!
『だぁああッ!!うるせぇッ!!何だよ!俺の睡眠妨害しやがって!』
少しずつ落ちていく意識に心地良さを感じていたのに無理矢理それを阻止されてしまったのだから腹ただしくて仕方ない。
何なのだと不機嫌丸出しで自身の机の周りに立つ幼馴染と妹を見上げる。
「何が睡眠妨害、よ。そんなの自業自得でしょ!これに懲りたら夜更かしなんてしないでちゃんと寝なさい!」
『…(ほんと日に日に母さんに似てくるよな)…うっせ!…つーか、お前ら何で此処に居るわけ?もうすぐチャイム鳴るぞ』
「ああ、俺達のクラスも自習になったんだよ。そんでお前のクラスも自習だった事を…『園子にバラしたんだな』…ハハハ…悪い」
目の前で説教する妹にギャーギャー騒いでいる園子。…後で絶対新一にアイス奢らせてやるッ。
『いや、自習なら自分等の教室でやれよ。何でこっちに来てんだ』
「先生が騒いだりしなければいいって許可してくれたの!」
…許可してんじゃねーよッ!!
さらば…俺の睡眠時間…
『はぁ…。で、俺に用があったから来たんだろ?そうじゃねぇなら今すぐ帰れッ』
「用がないと来ちゃダメなわけ?ま、今回は用があったから来てるんだけど」
『ダメだ。俺の睡眠第一!…んで、何だよ用事って」
俺の言葉に園子の口元がニヤリと笑うのを見た瞬間、両耳を塞ぎたくなった。