第3章 思わぬ救出と出会い
「なんかすみません、一緒に夕飯まで…」
「いいのよ!悠の事を心配して来てくれたんだもの。それに、今有希子ちゃん達はアメリカでしょ?高校生の子供が一人で食事だなんて寂しいじゃない。なんなら今日は泊まっていってくれてもいいからね!」
家に入ってすぐ先に自室へ行って着替えを済ませてリビングに戻ると時間も遅いので今日は泊まっていっても構わないと提案する母さんに申し訳なさげにしながらも泊まることにした新一に後で着替え出しといておくかと考え、戻ってきた俺に気付いた新一に笑みを向ければ返される笑みにくすぐったい気持ちになった。
「食べ終わったら順番にお風呂済ませちゃいなさい。布団は悠の部屋に敷いておくから」
『ん、新一先に入ってこいよ。走ってきて汗かいてるだろ?俺は次でいいから』
結局夕飯を作る時間もなくて出前になってしまったのだがたまにはいいものだなと綺麗に完食し、そんな俺と新一に風呂を済ませるよう言ってきた母さんに俺は後でいいからと新一に告げ、最初は渋っていたものの何回か説得すれば分かったと風呂場へと向かった後ろ姿を見送り、後片付けを終わらせて着替えを準備しておく。
「風呂ありがとな」
『おう。んじゃ俺も入ってくるかな。先に部屋行っててくれていいからよ』
風呂から出てきた新一と入れ替わるように今度は自分が風呂に入るため脱衣所へと向かった。