第3章 思わぬ救出と出会い
「………っ!!?悠ッ!!!」
『…あ、母さ…うぐッ!!!』
部屋を出て警察の人の案内で出口まで送ってもらうと迎えに来てくれた母親の姿を見つけ、向こうも同じように自分の存在に気付いてくれたようで小走りで向かってきたと思えばおもいっきり抱き締められくぐもった声が漏れてしまう。
「もぉッ、警察から連絡がきた時は心臓が止まるかと思ったじゃない!!!怪我は!?大丈夫なの!?」
『ご、ごめん…って、ちょ、母さんッ!!!!大丈夫だからッ!!!』
よほど心配をかけてしまったようで目に涙を浮かべていたことに胸が痛み再度謝ろうとしたが、傷がないかを確認するように体のあちこちを触り始めたのでさすがに焦って止めにはいった。
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その後母さんの車に乗って買い物袋を預かってもらっていた交番へと寄ってもらい、警察の人にお礼を言ってから漸く自宅へと帰ってこれたことに安堵の息を吐いているとドアの前に立つ人影に遠くから見ても分かるその人物。…なんで此処に?
『?新一?こんな時間にどうかし…「悠ッ!?お前ッ、通り魔に会ったって…大丈夫なのか!?」…え、や…何で知ってんだ…』
「高木刑事から聞いたんだよ!」
「…(高木さん…)…ちょっと落ち着けって。ほら、怪我もないし…大丈夫だって』
「…はぁ……良かった…。お前が通り魔に襲われたって聞いて居ても立っても居られなくてよ……でも無事な姿見て安心した…」
何故こんな時間に居るのかと思ったのだが凄い剣幕で自分を心配する様子を見てここにも一人心配性な奴がいたなと心の中で呟きつつ、その気持ちが嬉しかったので謝罪と感謝の言葉を告げてからこのまま帰すのも申し訳ないと母さんが新一を夕飯に誘い、それに頷いたのを見て一緒に家の中に入ることにする。