第3章 思わぬ救出と出会い
突然頭を抱えた俺を心配そうにする高木さんに完全に忘れていた買い物袋の話をすれば現場近くの交番警察に預かってもらうように頼んでくれて良かったと安堵し、何から何まで申し訳ないと思いながら感謝告げて案内された部屋に入り椅子に座って待つことにする。
『(母さん心配してるだろうな)…今日の夕飯どうすっかな…。たまには出前でも…「悠君、待たせて悪いね」…あ、いえ。母さん…何か言ってました?』
「アハハ…。うん、すごく心配してたよ…(電話越しでも分かるぐらいの剣幕だった)…。まぁ聴取が終わる頃にお迎えに来られると思うから、話聞かせてくれるかな?」
俺の問いかけに苦笑いする高木さんの様子を見て大体の想像がついたのでまた申し訳なく思いつつも通り魔に会った事を詳しく話し、その間頷いては事情聴取用の紙らしき物にペンを滑らせていく姿を視界に入れて全てを話した。
「なるほど…。大体の事は分かったよ。でも学校で注意を促されていたのなら気をつけないとね。今回は運よく助けてくれた方が居たみたいだけど…注意を怠るってことは大惨事になりかねないから。…分かったかい?」
『…はい、すみませんでした。今後は十分気をつけます』
「うん、ちゃんと反省してるならいいんだ。っと、どうやらお迎えが来たみたいだね!それじゃ、これで事情聴取は終わりだからもう帰って大丈夫だよ」
今回の事は自分が悪いので素直に謝罪を口にすると笑みを浮かべて今後気をつけるようにと返してきた高木さんにしっかり頷き、そんな話をしてる最中に部屋のノック音と共に扉が開かれ迎えの人が来ましたと言われ椅子から立ち上がり一度頭を軽く下げてから部屋を後にした。