第3章 思わぬ救出と出会い
警察の待つ所まで行くと車に乗り込む際にもう一度彼の方へと視線を移し、後から来た眼鏡の男と共に去っていく後ろ姿を見てから漸く車の中に乗り込む。
『……………降谷さん……ね……』
間違いなく眼鏡の男がそう彼の名を呼んでいたことを聞き逃すことはなくしっかり顔と名前が自身の記憶に刻まれ、車に揺られて数分もすれば警察署へと到着。
「あれ、悠君じゃないか!」
『え…高木さん?何で此処に?』
車を降りると署の前で待っていた警察官に名前を呼ばれ顔を上げると見知った刑事の高木さんが立っており、何故彼がと思ったのだが続いた言葉になるほどなと納得した。
「通り魔が捕まったって連絡を受けて身柄を受け取りに来たんだよ。それにしても、まさかその犯人を捕まえたのが(名前)君だったとは…怪我とかしてないかい?」
「あ、いえ!怪我はしてませんし…その、通り魔捕まえたのって俺じゃないっていうか…』
「??そうなのかい?まぁ怪我してないのなら良かった!それじゃあ詳しい話を聞きたいから一緒に来てくれるかな。あ、その前に親御さんに連絡入れておかないとね」
…………!!!!!?買い物袋!!
高木さんの後をついて歩きながらふと手ぶらだったことに気付き思わず頭を抱えてしまった。